世界びっくりカーチェイス2
カメラの準備はいいか?

皆様からの交通安全情報をお待ちしております。



交通取締りの種類について


「レーダーパンダによる速度取締り」


■ レーダーパンダによる速度取締りとは


パンダのルーフに搭載される速度測定器、いわゆる車載式レーダーを
使用しての速度違反取締りを指す。レーダー本体から電波、あるいは
レーザーを測定対象の車両へと発し、その反射を利用して速度を測定する。
2020年6月現在では、パンダは停止して測定を行っている。だが、
レーダーによっては走行間測定も可能とする性能を有しているものもあり、
今後によっては追い上げながら、あるいは対向車線ですれ違い様に速度
測定を行うという時代がやってくるのかもしれない。


レーダーパンダ絶賛待伏せ中。画像の様な状況で、コイツに気付かず、
あるいはコイツに気付いていても「お祭りでもやってんのかなぁ」なんて
呑気に違反速度で通過すると、自分がお祭りになる。そう、祭りは祭り
でも血祭りになぁ!ワハハハハ!なにそのジャンプ系の格闘技マンガ
みたいなやつ。


〇印がお祭りマシン。


〇印がお祭りマシン。もう、そっとしておいてあげて。


待伏せして、


違反車両発生。〇印はもういらないでしょう。


転回して本線合流、追跡して停止命令。


うきうきサイン会。これがレーダーパンダによる速度取締りだ。項目別に
詳しく見ていこう。


■ レーザー式レーダーについて

<LSM-100>

2020年6月現在、レーザー式レーダーは東京航空機製のLSM-100のみが
ラインナップ。※2022年後継機登場が確認される。後述する。従来の
電波式とは異なり、いわゆる光学式を採用。レーザーを照射できる
方向は一方向のみで、上記画像の様にこれを前向きに配置した前方
照射仕様と、後ろ向きに配置した後方照射仕様が存在する。これを
レーダー探知機によって事前察知する為には「レーザー対応」の探知機で
なくてはならない。電波式のみ対応の探知機では全く無反応となる。


同機を真上から。


前面パネルに小窓があり、そこからレーザーを発して測定する。コイツが
実戦配備された直後は、「レーザー」による測定という事を信じる、
あるいは理解できない人間から「レーザー?そんなものを当てたら
クルマも人も焼けてしまうよ。ないない。レーザー式なんか存在
しない(笑)」という、今ではすっかり息をしていない物言いが
ついた事から、それを嘲笑する意味を込めて、「焼き焼きくん」という
愛称をレーザー式レーダーパンダに付けた物だが、あまり長続きしない
愛称だった。


前方照射仕様の後面。当然ながら小窓が存在せずに、その部分をカバー
するようにビスが打ち込まれている。


前方照射仕様のカバーが外された状態。


右側の黒い四角部分がレーザー照射部分。左側はビデオカメラユニット。
測定時の証拠能力を上昇させるための装備。だが、後述する道警による
速度違反捏造事件において、この機能がかえって仇となる。


後方照射仕様。


後方照射仕様なので、パンダ前面に回ると、前面照射仕様の後面と
同じ状態に。


前方照射仕様の待伏せスタイル。向かって来る車両に対してパンダが
正面を向く。


検挙の際の本線合流はUターンとなる。


道警配備のLSM-100搭載のレーダーパンダはこの前方照射仕様が多い。


同一ポイントによる後方照射仕様機の待伏せスタイル。必然的にこうなる。


違反車両発生時はこのようにUターンはする必要がなく、


最小限の舵角、姿勢変化で本線に合流できる。なので、一見後方照射
仕様の方が楽なのではと、素人的に想像してしまうが、待機中の隊員は
後方を注視していなくてはならずに、首をひねるか、ミラーを
駆使ししての目視を余儀なくされる。「なんでこんなもの(後方照射
仕様)を作ったんだろうね」とこぼす隊員も居る。後ほど詳しく説明
するが、測定モードにおいては「前方」「遠去」のいずれかを選ぶ事が
できる。後方照仕様でも「前方」となる。ややこしいけれど。速度
測定器自体が後ろ向きに付いているだけで、速度測定器自体から
見れば「前から出てる」だからね。


レーザー式故に、指向性が高い事が予想されるのだが、そうではない事が
判るケース。こちらは後方照射仕様で、背後すぐには建物が。


真正面から見ると、LSM-100の軸線上に建物が被っているのが判る。
しかしこれでも測定は可能。


実際捕りに行っている。

■ 「やぶさめモード」について

※画像はNHKニュースサイトより。
ここまでレーザー式レーダーについて書いてきたが、説明の様にレーザーを
違反車両に照射するのではなく「パトカー自体を走行させながらレーザーを
電柱等に照射すると、思いのままの違反速度結果を作り出せる」裏ワザが
発見される。これぞ正に現在の流鏑馬(やぶさめ)。当サイトではこれを
「やぶさめモード」と呼称している。しかしこれはまずいだろうなぁ。
同機器による速取りデータの信用問題に関わる事だ。どうすんだよこれ(笑)。
LSM-100は2段階で速度を計測する。第1段階、第2段階ともに正確に
計測できて違反確定となる。しかし第2段階測定でエラーとなる事が度々あり、
それを札幌交機隊内では「抜ける」と表現。抜けてしまうとそれは検挙
できない状態となる。しかしスコアを焦った隊員が上記方法で違反を捏造
していたという事だ。

この件は不正の舞台となった札幌交機ひいては道警でも大きな不祥事
となり、大きく報じられる事となる。やぶさめモードを発案し、速度違反捏造を
繰り返した札幌交機隊員は逮捕起訴され、有罪が確定した。本件を受けて、
道警ではLSM-100を「パトカー走行中に使用できないようにした」としている。


事件後、保守担当業者からの説明を受ける交機隊員。


走行中は測定できない事になりましたんで、測定しないようにして
くださいね。捏造できてしまうので。という説明だろう。つまり、機能
自体は変わっておらず、やろうと思えばできる状態だと思われる。そう
思われても仕方がないんだよ。それだけの事をやったんだもの。で、この
「やぶさめモード」だが、レーザー式でなくても同様の方法で速度違反を
捏造できるという。そういう意味では裏ワザでもなんでもない。ではどうして
今回は発覚してしまったのか。それはコイツにその一部始終を録画する
機能も備わっていた為。当初はその動画を内部で検査するという規定が
無かったためオマケ機能程度の認識だったが、内部告発によってその
オマケ機能が証拠となってしまったのである。


<LSM-110>

2022年に確認されたLSM-100の後継機。2022年4月現在、道警への
導入は確認されていない。画像は茨城県警所属機。


本体近影。LSM-100と大きく異なるのはビデオカメラが無くなっている
という点。これは恐らく「やぶさめモード」を行ってもその証拠が
残らないようにしたと思われる。まさかと思うでしょ。でも、そういう
事なんだよ。不正を告発できる機能は「余計な機能」だもの。よって
コイツでは「やぶさめモード」を行っても一切その証拠は残らない
機種と言える。


■ 電波式レーダーについて

<JMA-401>

これまで述べてきたレーザー式レーダーが登場するまで、後述する
RS-710、JMA-5E等がレーダーの主流であった。しかし電波式による
速度測定装置は無線局扱いであり、その無線局の運用に関して
「新スプリアス規定」の適用に伴い、既存電波式レーダーは法的に
使用が規制される事となった。それを受けて登場したのが日本無線製
JMA-401だ。


道警では2021年度調達分のレーダーパトカーにこれが採用された。
形状はただの白い直方体という印象。


新スプリアス規定対応の電波式レーダー。今後のトレンドとなるか。


照射モードは「前方」「後方」「遠去」が切り替えで選択できる。


近影で前後を比較しても対称形状をしている事が判る。2022年11月
現在、このJMA-401に対応した探知機は存在しない。


同レーダー搭載機による取締りシーン。停止状態からの測定は他の
レーダーと同様。更にはパトカー走行時には電波を照射できないように
ロックがかかる。前述のLSM-100による速度違反捏造事案が背景に
あるのは間違いない。


LSM-100との性能比較においては「やはり光学式よりも電波式の方が
エラーは起きにくい」との現場評価がある。


何度も書くが2022年11月現在、JMA-401対応のレーダー探知機は存在
しない。ワンサイドゲームだねぇ。面白い状況だ。対応探知機が
リリーされればそれはそれでまた場が盛り上がる。


<新スプリアス規定により使用ができなくなった電波式レーダー>


過去、いくつもの機種が複数のメーカーよりリリースされていた。
画像のレーダーは三菱電機特機システム製RS-710CD。


前述のレーザー式レーダーLSM-100の様にカメラ機能は無いものの、
照射用窓が前後に設けられており、測定モードにおいては「前方」
「後方」「遠去」のいずれを一つ選んで測定する事ができる。


台形型をしているのが特徴。道警にあってはこのRS-710CD型が
電波式レーダーの中では最も現存配備数が多い。


電波式なので、従来のレーダー探知機で察知する事が可能。


点検時のRS-710CD。


いずれのレーダーにおいても、この定期点検は重要で、違反者と
法廷に争う事になる場合、その争点は「レーダーが正しい使用
方法で運用され、かつ正常に作動していたか」の2点になり、
これはその後者においての根拠になる作業の一つとなる。


日本無線製のJMA-5E。RS-710CDのような台形型ではなく長方形型。


こちらも照射用窓が前後に設けられている。測定モードは
「前方」「後方」「遠去」のいずれかを選択できる。


近影。前面。


後面。


福岡県警機。道警も以前はこのタイプの速度測定器を使用していた
そうだ。パナソニックモバイルコミュニケーションズ製ES-8H02。


いわゆるラッパ型と呼ばれていたタイプ。


こちらも福岡県警機。一見するとJMA-5Eに見えるが、丸みを帯びて
いない。


後方照射はできないようだ。こちらは三菱電機特機システム製RS-710B。


■ レーダーの測定モードについて

「前方モード」
速度測定器に正面から向かって来る車両に対して電波、あるいは
レーザーを照射するモード。前述の様にLSM-100は本体正面からのみ
レーザーを照射する事から、後方モードは存在しない。本体を
後ろ向きに装備した後方照射仕様は存在する。その場合も「どのモード
で照射しているのか」となれば、それはあくまでも「前方」だ。


LSM-100による、あえて紛らわしい例から。後方照射仕様の前方モード
による測定から検挙に至るシーン。


手前の車両が検挙対象。この時点でパンダのブレーキランプが点灯
しているのが判る。


追跡開始。


こちらはLSM-100前方照射仕様による検挙シーン。


対向車線側を測定。


違反車両発生。


Uターンしての追跡。


JMA-5Eによる検挙シーン。


Uターンする手間はあるが、待伏せ中は乗員が常に対象方向を楽な
姿勢で注視できる。※一発目のLSM1-00の後方照射仕様の前方モードは
そうはいかないけれど。


電波式はレーダー探知機によって事前察知されやすいが、道警では
こうして現在も所轄交通課では第一線を張る機体が多い。


「後方モード」
速度測定器の背面に向かってくる車両に対して電波を照射するモード。


RS-710CDによる後方モード測定の様子。パンダ前方の一般車2台は
無関係。


ダッシュ。測定電波を後方から照射している為、まだ前方に検挙
対象車が目前に入る前に動き出している。


右側からインしてきた車両が検挙対象。この時点で速度測定は
終えている。


インターセプト。


こちらもRS-710CDによる後方モード測定。一見、前方モードによって
対向車線側を監視しているように見える。※実際には「前方」と
「後方」のスイッチを都度切り替えていると思われる。今回は
「後方」モードによる測定がなされる。


パンダ後方からやって来た車両目掛けて追尾開始。


ハイ検挙。


「遠去モード」
速度測定器を通り過ぎた車両の背後に向けて電波、あるいは
レーザーを照射するモード。これはパンダを対象車両が追い
越して初めて測定する為、パンダの姿に気付いて減速されて
しまうリスクと、対象車両を現認してから速度測定に入るまでの
時間が後方モードよりも長くなる為に効率的ではない。
当サイトにおいては同モードによる検挙シーンの画像データ無し。


■ レーダーパンダ色々


150系クラウン + RS710CD


150系クラウン + JMA-5E


Y31セドリック + RS-710CD


Y31セドリック + JMA-5E


J31ティアナ + JMA-5E


170系クラウン + RS-710CD


V36スカイライン + RS-710CD


180系クラウン + RS-710CD


200系クラウン + LSM-100


210系クラウン + LSM-100(後方照射仕様)


210系クラウン + LSM-100(前方照射仕様)


V37スカイライン + JMA-401

交通取締りの種類について
交通取締りについて各方法別に解説。



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